第4回 建設省建築研究所での強震観測(Vol.10, No.2, 24-25, 1998/7)|強震観測の最新情報Publications

国際地震工学部応用地震学室  横井俊明、鹿嶋俊英

1.はじめに

地震動の特性や地震時の建物の挙動を正確に知る事は、建物の耐震設計を一層合理的なものとする上で欠かせません。しかし地震時の建物の挙動は非常に複雑であり、実際の現象を観測して分析する事が非常に重要になります。このような背景から、建築研究所は強震観測を積極的に推進しています。
 

2.全国強震観測

1957年以来、全国の主な都市に設置した強震計で観測事業を行い、同時に観測地点の増強と観測機器の改良を進めた結果、現在47地点でデジタル強震計 (SMAC-MD等)が稼動しています。通常、建物の上部と下部に測定点を設けて地動と建物の挙動を測定しています。全ての観測地点は電話回線で建築研究所と結ばれ、迅速な記録収集に寄与しています(図1)。

図1:全国強震観測点配置図
 

3.首都圏地震動観測網

1995年兵庫県南部地震による神戸市とその周辺域での震災は、大規模都市域における防災対策の重要性を認識させました。地震そのものの発生を防ぐ事も、あらかじめ知る事も不可能ですので、将来予想される地震による地動とその建物や都市への影響を予測し、できる限りの備えをしなければなりません。また、地震発生時には迅速に被害を把握して対策を立てる事が極めて重要です。特に東京を中心とした首都圏では、大規模震災の影響は計り知れません。建築研究所では東京を中心とした首都圏に放射状に20の観測点(KSG)を新設し、筑波山と横浜市を結ぶ線上に並ぶ8箇所の既設観測点と合わせて、関東平野規模の地震動特性を観測記録から把握すると共に、地震発生時の地震動に関する情報の速やかな収集の可能な体制を構築しています。この観測網では地震発生時に各観測地点から加速度の最大値が自動的に通知され、それら情報の整理後自動的にデジタル観測記録が回収されます(図2)。

図2:首都圏強震観測網
 

4.他の強震観測

この他に、表層地盤の強震動に及ぼす増幅効果を観測する為の11観測点からなるアレイ観測網が官民共同研究プロジェクトにより仙台地域に展開されています。また、建築研究所の都市防災研究センター棟を利用して、複雑な建物の地震応答や地盤と建物の相互作用を詳細に観測するために22点66成分の強震計を地中も含めて立体的な観測系が設置される予定です。
 

5.おわりに

これらの強震観測網で得られた記録は、インターネット等を利用して一般に公開される予定です。データベースとホームページが出来るまで今少し御待ち下さい。

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