日本地震学会強震動委員会 第13回研究会

日本地震学会強震動委員会では、強震動研究とその関連分野の関係者が集う研究会を企画しております。
その目的は、
(1)現実の社会の中で強震動研究の成果がどのように利用されているかを知ること、
(2)強震動研究の目指す目標をより高くしてゆくために、関連分野における最新の研究を学ぶこと、
(3)強震動研究とその関連分野に関わる人々との相互理解を深めること、
などです。
研究会を積み重ねながら、強震動研究をより効果的に社会に役立てるための手がかりを見つけて行きたいと考えております。
このたび、第12回研究会を、下記の通り開催することになりました。 研究会は、強震動委員会と同様、公開で実施しております。どうぞ奮ってご参加下さいますよう、お願い申し上げます。


日時:2007年8月9日(木) 16:00−17:30
会場:東京大地震研究所 1号館セミナー室(新棟3F) 住所:東京都文京区弥生1-1-1
参加費:無料,参加登録:不要

講師:土方勝一郎 氏
  (東京電力株式会社 建設部土木・建築技術センター所長)
@題目
 大加速度地震動と建物被害との関係の研究
A概要
 地震観測網の整備や地震計の性能向上等に起因して、近年大きな加速度値を有する地震観測記録が得られるようになってきた。しかしながら、観測点周辺の建物被害は加速度値から想定される程には甚大でない場合も多いことが報告されている。「何故建物被害が生じたか」に関しては従来から数多く研究されてきたが、「何故被害が生じなかったのか」に関しては必ずしも充分研究されては来なかった。今後の耐震設計をより高度化し確かなものとするためには、 このような大加速度地震動と建物被害の関係を明らかにすることが是非とも必要である。
 2004年新潟県中越地震においても、1Gを超える強震記録が観測されたが、観測点周辺のRC建物に大きな被害は見られなかった。強震観測点(JMA小千谷)近傍に位置する小千谷西高校に関しても被害は「軽微〜無被害」であった。この小千谷西高校校舎では、学校側の協力を得て詳細な現地調査(建物調査及び地盤調査)を行うことが出来た。本調査に基づき「建物の地震時特性」、「地盤の増幅特性」、「地盤-杭基礎の非線形相互作用」等の総合的な観点から大加速度地震動と建物被害との関係を詳細に検討した結果を報告する。


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