日本地震学会強震動委員会 第33回研究会のお知らせ

 強震動委員会では,強震動研究の成果をより効果的に社会に役立てるための手がかりをつかむことを目的として,研究成果が社会でどのように活用されているかを知り,また,関連分野における最新の研究を学ぶため,強震動研究会を開催しております.

 このたび,第39回研究会を,以下のように実施することが決定しましたのでお知らせ致します.日本地震学会会員・非会員に限らずどなたでも参加できます.どうぞ奮ってご参加下さいますよう,お願い申し上げます.

【第39回研究会の概要】
2022年10月23日(日) 講演 18:00-19:00 (開場17:30)
場所:北海道立道民活動センター「かでる2・7」820研修室 (札幌市)
   (北海道札幌市中央区北2条西7丁目 道民活動センタービル)
参加費:無料
参加登録:下記リンクから登録が必要です.
https://forms.gle/tQNDyhGbUneEEAv7A

※現時点では予定通りの開催へ向けて準備を進めておりますが,新型コロナウイルス感染症の推移を注視し,予定に変更が生じた場合は,速やかに強震動委員会のホームページ(https://www.zisin.jp/kyosindo/kyosin.html)にて情報をお伝えします.

講師:廣瀬 亘 氏(北海道立総合研究機構)
講演題目:2018年北海道胆振東部地震に伴い発生した地盤災害の特徴

概要:
 2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震では,厚真町・安平町を中心とする広範囲で,斜面変動や地盤の液状化をはじめとする著しい地盤災害が発生した.36名にのぼる人的被害は斜面変動に伴うものである.
 斜面変動は,安平町南東部から厚真町東部にかけての山地・丘陵地で多発した.厚真町幌内における大規模な岩盤すべりなど一部を除き,厚く堆積した火山噴出物(テフラ)の基底部~内部に形成されたすべり面より上位がすべり落ちるテフラ層すべりだった.すべりに寄与したテフラ層は地域により異なり,安平町~厚真町では恵庭a降下軽石堆積物(En-a:約2万年前),厚真町~むかわ町では樽前d降下軽石層(Ta-d:約9千年前)であった.
 地盤の液状化は震源域周辺に限らず,石狩低地南部の広範囲で発生した.大半は宅地造成地の盛土で噴砂として観察されるが,斜面では地下数m前後の火山灰盛土が斜面下部から噴出,流下した場合もあった.
 北海道では,千島海溝における巨大地震のリスクが高まっている.地震時のみならずその後の復興事業にも重大な影響をもたらす地盤災害について,発生場や規模の予測およびそれらを踏まえた事前の対策が重要である.


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