日本地震学会強震動委員会 第41回研究会のお知らせ

 強震動委員会では,強震動研究の成果をより効果的に社会に役立てるための手がかりをつかむことを目的として,研究成果が社会でどのように活用されているかを知り,また,関連分野における最新の研究を学ぶため,強震動研究会を開催しております.

 このたび,以下の通り研究会を実施することが決定しましたのでお知らせ致します.日本地震学会会員・非会員に限らずどなたでも参加できます.どうぞ奮ってご参加下さいますよう,お願い申し上げます.

【第41回研究会の概要】
日時:2023年10月30日(月) 講演 17:45-18:45 (開場17:30)
場所:ビジョンセンター横浜403号室(神奈川県横浜市西区北幸2-5-15)
参加費:無料
参加登録:なし


講師:吉田 律人 氏(横浜都市発展記念館)
講演題目:関東大震災と横浜―歴史学の視点から―

概要:
 人文科学は「人間」を研究対象とする学問体系であり,その一つである歴史学は,厳密な史料批判に基づきつつ,過去の人々の営みを実証的に明らかにする役割を担っている.朝鮮人虐殺の実態解明など,歴史学においても関東大震災の研究は行われてきたが,従来,それへのアプローチは自然科学の分野が中心であった.さらに研究対象は帝都・東京に集中する傾向にあり,震源に近いにもかかわらず,横浜の状況はほとんど明らかになっていない.政治史と経済史の研究を本流とする歴史学のなかで,明治維新以降の富国強兵と膨張政策のもと,最終的に悲惨な敗戦を迎えたというマクロな歴史叙述では,地震災害に歴史学者の関心はむけられてこなかったのである.
 そうしたなか,横浜市の近現代史研究と歴史資料の継承を担う横浜開港資料館,横浜都市発展記念館,横浜市史資料室の3つの施設では,関東大震災関係の資料収集や整理・保管に努めると同時に,1993(平成5)年以降,「関東大震災」をテーマとする企画展を数回にわたって実施してきた.本講演では,これまでの調査研究の成果を踏まえつつ,主に被災者の体験記から横浜の関東大震災を再現していきたい.


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